朝から毎度のごとく、日記をタイピングしていると１０ｍ向こうの道路から、大きな声で話しかけてくれるおばちゃんがいた。おばちゃんは、あちらこちらに忙しく歩き回って少しの間いなくなったと思ったら、自家製のコーヒー牛乳と柏餅を持ってオイラのいる休憩所へ持ってきてくれた。話してみると、どうやら息子さんが運動会に出られるという事で忙しくしているらしく、すぐ何処かへ行ってしまったんだな。元気なおばちゃん、ありがとうございました。柏餅美味かったです。
走り出したオイラは、吉良川町の古い町並みを見学してから室戸岬に向かって走ったのだが、先っちょの岬は昔行った事があったので、少しばかり手前の小さな街から山に入り、丁度、生クリーム絞りの先みたいなショートカットコースを見つけたので、面 白そうだと走ってみると山の頂上に向こう側の海の景色が見える楽しいトンネルがあったんだな。ああ、これだ、これをオイラの直感が察知したんだなと感激しながらトンネルを抜けると、先ほどまであまり吹いていなかった風が、太平洋上に発生した台風を背にして走らなければならなくなった事により、そこへ流れ込む風が激しい向かい風となって、今後の２日間ずっとオイラを苦しめたんだな。
徳島県に入ったオイラは、あきらめかけていたスーパー銭湯を阿南市で見つけて入浴し、少し走った場所に流れていた那賀川に架かる大京原橋の下にテントを張って野営したんだな。

室戸市吉良川町の元気なおばちゃん

常に強風が吹きつける大京原橋の下で、風と格闘をしながら野営セットをしまったオイラは、昨日同様に激しい向かい風の中を鳴門市→東かがわ市→さぬ き市→高松市→坂出市と移動し、専門学校時代の恩師“武田先生”が住む丸亀市へ、国道１１号線をひた走った。
“武田先生”はオイラが２１歳から３年間通っていた、岡山県にある“中国デザイン専門学校”の非常勤講師の一人で、金属工芸“彫金”のスペシャリストなのだ。先生はオイラの通 り道に当たる香川県の丸亀市に住まわれているので、高知県の辺りで連絡を頂いて工房の２階へ泊まらせていただける事になったんだな。
海岸線を走る国道１１号線は、瀬戸内海の内側“兵庫県”や“岡山県”や“広島県”に面 した四国の海岸線で、３本の本四連絡橋“明石海峡大橋・大鳴門橋“、“瀬戸大橋”、“しまなみ街道”につながる四国瀬戸内の主要道路の一つなのだ。街中に入るまでの海岸線には、瀬戸内海で獲れた魚介類・海藻類を売るお店や、小さな港を見る事が出来るんだな。四国下半分“高知市”付近を除いた太平洋側と比べると、平地が多くなってかなり走りやすくなったのだが、なんだかお遍路さんと会う回数は減ったような気がするんだな。
走りやすくなったといっても乳酸（体内疲労物質？）が、大量に発生する向かい風走行の中、やっとの事で、待ち合わせ場所の丸亀駅前にある猪熊現代美術館に着いたのがＰM７：００過ぎ。迎えに来てくれた“武田"先生”に、近くの美味しい中華屋さんで夕食を御馳走になり、ヨレヨレの体を引きずりながら工房の２階へ泊めさせて頂いたんだな。
“武田先生”、２日間お世話になります。美味しい中華を食べさせて頂いてありがとうございました。

武田先生・中華屋のおばちゃん・猪熊現代美術館裏にある銭湯のおやじさん

小計

高知では“グランツァ熱田”くん、“みかえる田中”さん、“ほのか”ちゃんが、岡山県から応援に来てくれたが、今日は、専門学校で同級生だった“三宅”くんが応援に駆けつけてくれたんだな。そして“三宅”くんの車で“武田先生”と３人で丸亀市周辺をドライブする事になったんだな。
“三宅”くんは、岡山県にある“中国デザイン専門学校”の“プロダクトデザイン科（物のデザインを教えてくれるぞ）”で一緒に勉強した友人で、あの当時、学校中で“三宅”くんを知らない人はいないくらい楽しい人物として有名だった。現在は太ってしまったので、ヒゲを生やせばインド映画で歌って踊れそうな風貌になってしまったが、当時も他国の留学生と間違われるくらいオリエンタラーな風貌で、人気者だったんだな。
まず“三宅”くんの要望で、神社に交通安全のお参りがしたいという事で、“武田先生”がよく初詣に行くという天川神社に行ってお参り＆撮影会をし、その後、美味しい讃岐うどんをたらふく食べてから、溜池で有名な満濃池や道の駅、北海道にありそうなジェットコースター感覚のウエーブ山坂道を楽しんで、半島状態の詫間町をドライブしてから“武田先生”の工房に帰って来たんだな。
残念ながら、“武田”先生は夜から仕事がある為、“三宅”くんは明日出勤なので岡山へ帰らないといけない為、オイラは溜まった日記をタイピングしなければならない為と、短い休暇は無常にも終わってしまったんだな。しかし、久しぶりに長時間遊んだ充実感が凄く嬉かったんだな。“グランツァ熱田”くん、“みかえる田中”さん、“ほのか”ちゃんの応援と、“三宅”くん、“武田先生”の応援で、これから強行日程になるだろう後半の旅を走り抜く力が湧いてきたんだな。
“三宅”くん！わざわざ瀬戸大橋を渡ってまで応援に駆けつけて来てくれてありがとうなんだな。また帰郷したら遊ぼうなぁ。

武田先生・三宅くん

小計

昼前まで“武田先生”の工房２階を借りて日記をタイピングし、旅の出発準備が出来たオイラを“武田先生”は、近くの讃岐うどん屋さんに連れて行ってくれて御馳走してくれた。昨日の讃岐うどんもかなり美味かったが、今日の讃岐うどんもかなり美味しかったんだな。しかも甘えてしまって、海老の掻揚げ・コロッケ・おでん（何処のお店でも必ず置いてあって味噌ダレで食べる！）の豆腐まで頂いてしまったんだな。“武田先生”、お世話になった上に美味しい食事まで御馳走になってしまって本当にすいませんでした。そして、ありがとうございました。帰郷したらまた改めて遊びに来ます。
オイラは、原動機付自転車で１１号線まで道案内してくれた“武田先生”にお礼を言って再び走り出した。香川県丸亀市から愛媛県今治市までの道のりは、高知県に比べればオチャノコサイサイといった感じだった。向かい風も無いし、多少のアップダウンがあるものの、スイスイと走しる事が出来たんだな。しかし、愛媛県の川之江市〜伊予三島辺りは工業地帯なので、とんでもない数のトラック達がひしめきあい、どこまでも渋滞が続いていたんだな。今日から東京都付近で、ディーゼル車の排気ガス規正が始まったと聞いていたので、トラックの排気ガスを気にして見てみたが、東京都からかなり離れている愛媛でも、確かに７０％くらいのトラックは黒煙を上げていなかった。が、３０％くらいのトラックは、まだ排気ガスを煙幕のように撒き散らしながら走っていたんだな。TVのアナウンサーが言っていたのだが、東京都近辺で使えなくなった古いディーゼル車は地方へまわされているらしい！とんでもない話しなんだな。
予定通りに今治市の道の駅“今治湯ノ浦温泉”へ到着したオイラは、そこで思いがけない人と再会した。その人は北海道のライダーハウス“福田メロン”さんで一緒にメロンを食べた、ハーレー乗りの“直原”さんだった。いやはや、北海道で分かれた人と、四国にある１つの道の駅で偶然再会出来る確率とは、どれほどのものなのか想像もつかないが、さらに凄かったのが、“直原”さんと一緒にいた、自転車で四国を周る為に静岡県から来た高校生が、途中で出会った徒歩で旅をしている足の悪いおじさんから、宇和島の公園で壊れた自転車を直す為に自転車屋へ持っていったが、荷物を付けたままお店を閉められてしまった人の話を聞いたらしい・・・って、それはオイラの事じゃないかぁっ！！キミが出会った足の悪いおじさんは、あのオイラに寒いだろう・・・て、服をくれた親切なおじさんだ！と、奇妙に繋がっている出会いと偶然に、３人で大笑いしてしまったんだな。

武田先生　・　直原さん　・　静岡県から来たサイクル野郎高校３年生

小計

自転車で四国を周っている静岡県から来た高校３年生と、ハーレーを泥だらけにしながら日本を周っている“直原”さんを見送ったオイラは、車や自転車で次から次へとやって来るおじさんと岡山県でしか取れない石や、ひと冬に１０００万円稼ぐ方法等を会話しながら日記をタイピングし、お昼のチャイムが鳴る頃にようやく走り出した。
少し走ると、“しまなみ街道（本州の広島県尾道市と四国の愛媛県今治市の間に浮かぶ島々に橋を架けて行き来が出来るようにした街道）”自転車と歩行者はこちらへ→の、看板が歩道脇に立っていた。「おお、これだこれだ」と看板の指示通 りに街中を走り、今治造船所を見渡せるループ橋をクルクルクルクルと登ると目の前に巨大な橋が現れた。四国側から渡ると現れる最初の橋「来島海峡大橋」である。しまなみ街道の橋は、真ん中を車両通 行用の道、左右どちらかが１２５ｃｃ以下原動機付自転車用の道、原付の逆側か隣を自転車・歩行者用の道が走っていて、交わる事は無いが、たいてい自転車は一番端を走るので、良い景色を眺めながら走る事が出来るんだな。
しかし、自転車も車の道と同じように真っ直ぐ走れるものだとばかり思っていたが甘かった。２００円、５０円、５０円、１００円、５０円、５０円と、各橋を渡るごとに無人料金所（カメラは付いている）へお金を入れ、１２５ｃｃ以下の通 行は各島へ強制的に下ろされ、島の外周を半分ほど走ってから次の橋に登り、島へ渡るので山中を走っているくらいけっこうアップダウンがあるんだな。そして、どこへも寄らずに全線を走っても、端から端まで９０ｋｍくらいあるので、しまなみ街道を遊ぶには２日以上をかけた方がいい事が解ったんだな。ちなみに向島〜尾道間は、旧尾道大橋（１０円）の歩道が危ないらしいので、絶え間なく往復している雰囲気抜群なフェリー（自転車は片道１１０円）を利用した方がいいんだな。
すっかり暗くなってからあの有名な広島県の尾道市に入り、見て廻る事も出来ないのでそのまま走り続け、三原市へ着いた頃に力尽きたオイラは、夕食を買いに入ったジャスコ三原店で、そこへ勤めるおばさんに三原名物たこせん(タコのぶつ切り入りせんべい）を頂いたり、おじさんに銭湯の道を教えてもらったりして、お世話になってしまったんだな。おじさん、おばさんありがとうございました。たこせん美味しかったです！

直原さん・静岡県から来たサイクル野郎高校３年生・ジャスコ三原店で働くおばさんとおじさん

しまなみ街道移動代

皆様にも好みがあると思うんだけど、オイラはどちらかを選べといわれれば、おかずやおやつとして食べるお好み焼きではなく、それ1枚でお腹にズシッと来る広島焼きが好きなんだな。まず生地をクレープ状に鉄板へ広げ、その上にこれでもか！これでもか！と言わんばかりにキャベツを山の様に載せてから具類を敷き、モダン焼きであれば麺を鉄板で焼いている所へひっくり返して一つにし、さらに玉 付きなら鉄板に落とした卵の上に少し浮かせてスライドさせた塊を載せ、上から専用の押さえ板で押し潰し焼き上げるのである。焼きあがれば広島焼きには欠かせないおたふくソースを満遍なく塗り、カツオ節を躍らせながらお客様の前まで運んでくるのである。広島焼きは素人がやると失敗してしまうので職人に任せるしかないのだ。その、誰にでも作れてしまう手軽さより、職人技という付加価値とボリュームのある食べ応えに、なんだかひかれてしまうんだな。
そんなお好み焼きの国をガシガシと走り続け、既に日が落ちてしまい“ぷよ饅本舗”を探す余裕が無くなってしまっていたオイラは、代わりに宮島（厳島神社で知られ、修学旅行コースにもなっている）の駅前でもみじ饅頭（最近ではチョコレートやクリームやチーズが入っていたりする）を買ってつまみ食いをしながら、少し走った場所に見つけた公園で野営する事にしたんだな。

おいしいお好み焼き・おいしいもみじ饅頭（独特な薄小豆色のこしあん最高！）

夕食（コンビニ弁当ご飯大盛り）

パワーアップアイテムが見つかったんだな！そこは、瀬戸内海の周防灘に面した山口県岩国市と山口市の中間に位 置する街、下松（くだまつ）市だったんだな。その街の中で、ひときわ小中学生の自転車が集まっていたのが、“わんぱくこぞう下松店”だったんだな。駐車場入り口には、たこ焼きやアイスクリームを売るＢＯＸが立っていて、２人のおばさんが繰り出す美味しそうな、あまーい匂いに、引き寄せられてやってきたオイラは、おそるおそる下松店へ入っていった。・・・という事で、ごめんなさいなんだな。またまたこの続きはぱっくんぽっけ本誌にて、ご覧くださいなんだな。
わんぱくこぞう下松店の店長様、スタッフの皆様。忙しい時にお伺いしてしまってすみませんでした。ご協力感謝致しますなんだな。下松店は、地元の子ども達が集まってきて、楽しく遊べる遊び場になっているとオイラは感じました。楽しかった記憶は子ども達の心に焼きつきます。子ども達は大人になっても忘れないと思いますので、末永く子ども達に楽しい場所を提供してあげてくださいなんだな。
下松店の店長さんと熱く握手を交わしたオイラは、周南市のゴージャスな歩道（２車線だ！）に感激しながら快調に飛ばし、途中にあった永源山公園という、近代的で綺麗な公園に今日の野営地を見つけて泊まる事にしたんだな。

わんぱくこぞう下松店の店長様、スタッフの皆様

明日の朝食(パン）

今週の出費