AM７：００にセットしていたアラームが鳴り、起きて朝食を食べたオイラはロボットのデザインを始めた。しかし、昨日と同じで、すやすやすや、ガリガリガリ、すやすやすや、ガリガリガリを繰り返す一方で、なかなか進まないのである。でも、ターミナルに戻っても寝ないというだけで、結局のところ進むスピードは同じなので、やはりこのまま続けるしかないのである。

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今日も変わらず、すやすやすや、ガリガリガリ、すやすやすや、ガリガリガリを繰り返した。が、なんとか少しだけ形になってきたのと、“ちぇいある”さんが進行状況の確認電話を入れてきてくれた事で、気分が乗って来たオイラは、少しばかしスピードアップしてロボットのデザインを進める事が出来た。贅沢に旅をしているので、お金を使い過ぎて予備に持っているやつを使い始めてしまった事と、ある程度ロボットが形になって来たので、明日はまたターミナルに戻ってデザインするんだな。

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AM１０：００、チェックアウトぎりぎりまで粘って、ビジネスホテル“ニュー寿々屋”さんを出発したオイラは、北埠頭フェリーターミナルビルに戻った。そして、いつものソファーに腰掛けてスケッチブックを広げていると、海運株式会社のおじさんやビル内清掃のおばさんが、おお、また来たな。突然居なくなるから何処に行ったかと思っていたよ。と、話しかけてきてくれた。なんだか嬉しかった。
しかし、“ちぇいある”さんと電話で約束した「今週中には・・・」の今週、つまり９月７日（日）は既に過ぎ去っていた。急いでデザインをアップしなくては、といった夏休み終了間際の小学生気分で、やはり屋久島行きの高速船“トッピー”がつく時間に合わせて、ゴッと増えるおじいさん、おばあさんのツアー客や、従業員の目なんか気にしている余裕は無いと、ガリガリ描きまくるのであった。
なんとか、ターミナルが閉まるPM８：００までにはかなり進める事が出来た。デザイン画を近くのコンビニでコピーしてスタジオねむへＦＡＸし、オイラは再びいつものボードウォークに行って、あずま屋にマットのみを敷いて横たわり、桜島の方に稲光を真上にきらめく星を見ながら、少しの間ロボットを書いて寝る事にした。

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オイラは、今日もいつも通りにターミナルビルへ行き、ガリガリとデザインをした。すると、奄美海運株式会社のおじさんが、鹿児島銘菓“かるかん”などの饅頭を持って来てくれたのだ。デザインの進行具合から行くと、明日にはおじさんに合えないと思ったオイラは、ぱっくんぽっけを渡して自分の正体（ぱっくんの編集員である事など）を話した。おじさんも、何かあったら連絡しなさいと名刺をくれた。名刺には、“奄美海運株式会社　総務部長代理　兼　福運行管理者”の肩書きと、名前が印刷されていた。いやはや、只者ではないとは思っていたが、おじさんの正体がこんなに偉い人だとは思っていなかったので驚いてしまった。
“本坊”さん、ありがとうございました。かるかんの味は忘れません。また、今度は仕事抜きで奄美大島へ遊びに行きたいと思いますので、その時は、またまたお世話になります。
本坊さんの仕事が終わり、帰宅する前に写真を取らせてもらってから、スタジオねむにＦＡＸを入れる為にコンビニへ向かった。その帰りに、オイラはＴＶや新聞で話しに聞いていたシロモノを生まれて初めて体験したんだな。
それは、突然だった。・・・ん？なんだか、目にゴミが入るぞ・・・。近くをトラックが走っていたので、またトラックか！と、思っていたのだが、なんだかいつまでたっても目にゴミが入ってくるんだな。なんでだろう？・・・もしや！！・・・と、夜の桜島の方を見てみると、いつも通 りに雲とも噴煙とも見分けられないモクモクしたものを頭にかぶっていたのだが、なんだかそのモクモクがこちらに向いている様な気がする。風向きもこちらに向いているし、目の前が海なのに・・・。なんだか物を焼いているような匂いもする。・・・・・そうなんだな！火山灰なんだな。
それは非常に細かく、バニラやコショウの粒といった感じの黒い物だった。台風が近い事もあって常に風が吹いているので、夜になり、ターミナルから戻って公園のボードウォークにマットを敷いて、寝転がってロボットデザインの続きをしているオイラに、火山灰は容赦なく降り積もったんだな。
そして、夜中になると雨もドバドバと降りめた。最悪のダブルパンチに見舞われたオイラは、北埠頭フェリーターミナルビル玄関の屋根下に避難して雨の飛沫を浴びながら、うつらうつらと眠れない夜を過ごすのであった。

フェリーターミナル売店のおばさん　・　フェリーターミナル清掃業者のおばさん・奄美海運株式会社の本坊さん　・　歌手の亜波根綾乃さん（MDで聞きながらデザインしてました。すごく助かりました。良い歌をありがとう！）

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PM６：００、開館と同時に北埠頭フェリーターミナルビルへ入らせてもらったオイラは、いつものソファーに座り完成間近のロボットデザインを描き始めた。しかし脳みそとは現金なものである。昨日、ＭＤを持ってきていた事を思い出したオイラは、お気に入りの“亜波根綾乃”さんの歌を聞きながらデザインしたのだが、あれだけ苦心していたデザインがどんどん進むのである。確かに、オイラの中で亜波根さんの歌が“ブレイクエイジ”にマッチしている感覚はあったので、進むのは当然なのかもしれない。早くＭＤを使っていれば良かったと悔やみながら、PM８：００にはデザインが完了した。
今までお世話になっていた北埠頭フェリーターミナルビル（屋久島・奄美地方・沖縄地方のフェリー窓口）に別 れを告げると、コンビニからスタジオねむへＦＡＸを流し、遅れた行程を少しでも取り戻そうと、桜島フェリーに乗って直接桜島へ渡る事にした。大型の台風も沖縄付近にいて鹿児島へどんどん接近してきているので、できるだけ鹿児島市から離れないといけないのだ。
そして、荒れ始めた鹿児島湾に自衛隊の潜水艦を見ながら、対岸の桜島へ20分位 で到着したオイラは、桜島の風景に度肝を抜かれてしまった。火山特有の剥き出しになった山肌、生々しい溶岩の流れた後、いたる所に転がる火山弾と思われる巨岩と火山弾シェルター、そして今も流れている噴煙と火山灰と硫黄の匂い。噴火が起きたらどうするのだろうと思いながら、オイラは起伏にとんだ桜島を半周し、垂水市→鹿屋市と国道２２０号線を走り続け、明日には台風が鹿児島県に一番近づく為、オイラは大事をとって宿に泊まる事にした
志布志湾岸の国道２２０号線を走っていると、有明町にシティホテル“サングリーン”さん（1泊素泊まり５０００円）を見つけたので、台風が通 り過ぎるまで２日ほど泊めてもらう事にした。ふう〜、っ痛たたた・・・、や、やはり久しぶりに走ると体中が痛いんだな。なるだけ、２日以上動かない日を作らない様にしないと体が大変な事になるんだなぁ。

フェリーターミナル売店のおばさん　・　フェリーターミナル清掃業者のおじさん・奄美海運株式会社の本坊さん　・　歌手の亜波根綾乃さん（MDで聞きながらデザインしてました。すごく助かりました。良い歌をありがとう！）

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外は、強い風と時折強くなる雨で荒れているんだな。やはり台風はどうにもならないので、今日は汗と灰まみれになった衣服の洗濯（サングリーンさんではサービスで洗濯機と乾燥機と洗剤を使わせてくれるので、１０００円くらい特をしたんだな）をして、寝て、日記を書いて、一日中ビジネスホテルの１室で寝て過ごしたんだな。しかし、有明町のスーパーで売っている弁当は大変ボリュームがあるんだな。
昨日食べた幕の内も、今日の朝食べたうなぎ巻きも持つとズシッと重みが伝わってきて、持っただけで満腹中枢に喝を入れられるような代物ばかりだったんだな。オイラには天国のような場所なのだが、動かないで食べ過ぎるとすぐさま太ってしまうので気を付けなくてはいけないんだなぁ・・・ 。

シティホテル“サングリーン”さん

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シティーホテル“サングリーン”の豪快で親切なオヤジさんに、自転車旅行人という事で宿泊費を１０００円もサービスしていただいたオイラは、お礼を言って再び走り出した。台風が抜けた後なので、吹き込む強風が追い風となり、オイラの走行を助けてくれたのでかなり走りやすかった上に、綺麗な海と奇景が目を楽しませてくれるので、途中までは軽快に走ることが出来た。
日南市を越えて更に海岸線を走って行くと、鵜戸神宮（うどじんぐう）の看板が立っていた。オイラは何気無しに行ってみる事にした。しかし、途中の坂でとんでもない悲劇が待ち構えていたのだ。コクン！スカッ！！・・・ん？なんだかハンドルの右手側にある後輪ギアチェンジ用のシフトレバーがおかしい・・・？・・・げげっ！なんてこったい！・・・ワ、ワイヤーが「ぷらん、ぷらん」している。ああっ！後輪の８段ギアが、トップギア（スピードが出ている時に使う一番重いギア）に固定されてチェンジが出来ないぃ！・・・、色々調べてみたが、幸いな事にハンドルの左手側でギアチェンジする前の３段ギアは使えるみたいだが、一番軽くしても急な坂道が現れたら乗って登る事が出来ないくらい重いんだな。・・・途方にくれても仕方ないと思ったオイラは、とりあえず前に進む事にした。
意外と急な坂道は無かったが、微妙にアップダウンのある海岸沿いをヒイヒイ言いながら走っていると、なんとも悪い事は続くもので、ハンドルに付けてあるサイクルコンピューター（スピードや距離を測るメーター）が作動していないのだ。やばい！走行距離が狂ってしまうぞとすぐさま電池を取り替えて作動させたのだが、何キロかは狂ってしまっただろう・・・。
今日は、楽しい事や苦しい事や色々な事があった１日だったが、ちゃっかりと宮崎市の青島銘菓“宇いろう”なるものを明日の朝食にと購入してしまった。やはり、どんな事も食欲には勝てないんだな。明日は、宮崎市内で自転車屋さんを探して修理してもらうんだな。

シティホテル“サングリーン”さん

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