昨日に続き、ビジネスホテルに連泊して日記をタイピングする事にした。北埠頭旅客ターミナルビルから水族館の横を３００ｍほど真っ直ぐに進んだ場所に建っているこのビジネスホテルは、激安なのだが、エアコンをPM５：００〜PM１０：００までしか付けてくれないので、昼間は扇風機だけで生活しなければならないんだな。贅沢は言っていられないので、さっさと終わらせる勢いで日記をタイピングするのであった。
頑張って、明日のチェックアウトまでになんとかメドをつけなければ、予定している鹿児島県西南部周遊走行（指宿→枕崎→吹上げ→）がずれ込んでしまう、そんな危機感が功をそうし、なんとかメドが付けそうだ！
ふぃ〜、やはり体を動かさないと、脳みそも体も腐ってしまいそうなんだな。いや、体の方は確実に筋力低下を起こしているんだな。明日は大変な事になりそうなんだな！

チェックアウトのAM１０：００まで粘って、なんとかかんとか日記にメドを付けたオイラは、指宿に向けて出発した。そして、心配していた通 りに体が大変な事になっていたんだな。筋肉の反応が悪く、体が全体的にだるい、信号で立ち止まると立ち眩み（酸欠？）を起こしてしまう。やはり、走らない日が２日を越えると次の日が大変な事になってしまうんだな！歳をとったオイラの身体能力は、昔のように待っていてはくれないのだ！
微妙にアップダウンがある灼熱の海岸線を左手に桜島を見ながら指宿まで走った。しかし大変なのは、暑さやへなちょこ体力だけではなかった！沖縄に渡る前に自転車の予備タイヤを使ってしまっているので、バーストしてしまうと一巻の終わりなのだ、各パーツも相当痛んできているだろう。と、色々な悩みを抱えながら走っていると、指宿高校を越えた辺りに偶然、自転車屋サイクルスポーツ“R.226”さんを見つけた。天の助けとばかりに飛び込んでみたのだが、残念ながらオイラが欲しかったタイヤは置いていなかった。仕方ないので、チェーンだけでも換えてもらう事にした。
”Ｒ．２２６”の店長さんは凄く親切な方だった。チェーンの交換をしてもらっている間に、ジュースを２本頂き、素晴らしい場所だから今日の野宿は“ふれあい交流センター なのはな館”付近にしなさいと、丁寧に場所まで教えてくれたのだ。オイラは、感謝しながら言われた通 りに行って見る事にした。
そこには、巨大なラグビーボールか葉巻型ＵＦＯのような物が建物に突き刺さったデザインの面 白い建物が立っていた。近くには、奇妙に隆起した断崖絶壁の山（壁みたい！）がそびえ立ち、旧日本軍の飛行機工場跡地や有名な指宿温泉の砂風呂がある絶好の場所だった。オイラは野営する前にと、町営の温泉でひとっ風呂浴びて、誰も居ない砂風呂（やはり付近一帯は暑い）近くの遊歩道で少し遅い夕食を食べていた。すると、ウオーキング中のおじさんとおばさんが声をかけて来てくれた。
おじさんおばさんと、これから行く枕崎方面の観光地や旅の話しで盛り上がり、ジュースを２本頂いてお別 れした。他にも気軽に声をかけてくれるおじさんやおばさんが沢山居た指宿市と、”Ｒ．２２９”の店長さん、ウオーキングに来ていたおじさんとおばさんに感謝しながら、オイラはキラキラと瞬く星空を眺めつつベンチの上で眠りに付くのであった。

AM６：００、早々と指宿温泉近くのコインランドリーにやって来たオイラは、溜まった洗濯物を洗いながら外のベンチで日記をタイピングしていた。そこへ、一人の小柄なおじさんが近づいて来た。「ほい」と、オイラにとうもろこしアイスクリームを渡し、隣に座ったおじさんは、オイラから旅の話しを聞き出しつつ、自分の経歴を話し始めた。おじさんは長年オーストラリアで勤められていたらしく、つい最近地元に帰って来てこのコインランドリー近くで居酒屋食堂を開いたらしく、今度また指宿に来たら食べに来なと名刺をくれた。
おじさんと別れて洗濯も完了したオイラは、昨日出会った人に教えてもらったうなぎ温泉がある“鰻池”（遊びに来ていた西郷隆盛さんが、うなぎという苗字がよかろうと、言ったばかりに今でも鰻池一帯には鰻さんという苗字の方が多く住んでいるらしい。実際に行って町内図を見てみたが確かに鰻さんという苗字の方が沢山住まれていたんだな！）や、開聞岳と池田湖の間にある“唐船峡公園の町営流しソーメン”（あの目の前でソーメンがクルクル流れる機械を発明した人がこの地の出身者らしい）や、町全体がカツオの匂いに包まれている“枕崎市”を訪れてから、“吹上げ浜海浜公園”に着いたのは、日も暮れたPM７：００頃だった。
２ヶ月前にはPM８：００でも明るかったのに、「なんともかんとも早くなってしまったなぁ」と、つぶやきながらキャンプ場で場所を借りる契約を済まし、トイレの明かりを頼りにフリーサイト３番地でテントを張ったオイラは、管理人さんがいる冷房の効いたログハウス風の休憩室に行き、夕食を食べたのであった。
・・・そして、実は今日の昼過ぎにちぇいあるさんから１本の電話が入ったんだな。その電話の内容は、今週中にメカデザインを上げてくれとの事だった。久しぶりに、明日から当分の間、放浪のメカデザイナー生活が始まるんだな。と、いう事で、お、おむすびがほしいんだなぁ・・・。

この猛暑の中、スケッチブックを広げてどこでメカデザインをするのが良いだろう・・・と、いった事で頭をいっぱいにしながら海岸線や山の中を走り、結局、出発前にいた鹿児島市本港新町の北埠頭旅客ターミナルへ戻って来てしまった。
が、既に夕方になり、日も落ちかけていて日記もここ数十日間頑張ってかなり進んでいたので、疲れた体を癒やしてクリアな状態で明日からロボを書こうと、近くの臨海公園にあるボードウオーク（木の板を張りめぐらした床）で、エアーマットだけを敷いて寝る事にした。
臨海公園には、夜になると駆け出しのミュージシャンや空手家達、屋久島行きのフェリー待ちの若者や地元のカップルが、どこからともなく集まって来て、夜を楽しんでいるのだ。オイラは、街の明かりが強すぎるので、満天とは行かないまでも綺麗な星々を見上げながら眠りに着いた。

AM５：３０、マットのみを敷いて大の字になって寝ていたオイラは、昨日まで朝でも暑かったのが嘘のような寒さで目が覚めた。そして、眠れなくなってしまったオイラは、目の前の桜島から登る朝日を見ながら朝食を食べ終え、AM６：００から開いているフェリーターミナルへ自転車を走らせた。
ターミナル内は、屋久島行きの始発時刻が近い為に旅行客が集まり始めていた。オイラはターミナルに入ってすぐ左奥にある奄美大島方面 切符売り場前のソファーを一人分占領して、作家生活でヨレヨレになっている“ちぇいある”さんや“馬頭”さん、“藤原”くんや（株）エンターブレイン“具志堅”さんのよろしくお願いしますよ！という顔を脳裏に浮かべると、よっしゃぁ！やったるぜい！！と、隣に座る人の目を気にしながらガリガリガリと描き始め、AM７：００〜PM７：００まで快適放浪デザインライフを満喫した。しかし、ずっと居座っていると心苦しいので、居座り賃にと飲食品はターミナル内で買う事にした。
今回依頼された仕事の内容は、現在４巻まで発刊されている“小説版ブレイク・エイジ〜ロアゾオ・ブルー〜”の次巻である５巻で、本格的に登場するロボットのデザインが中途半端になっているので、今週中に完成させて送ってくれといったものだった。とはいうものの、枚数にして３〜４枚は書かなくてはいけない。多分筆の遅いオイラの事なので、５〜６日間は旅日記を放り出して、メカデザインに専念しなければいけないだろう。楽しみにされている方々、スミマセンです！また、日記が遅れてしまう事になりますが勘弁してくださいなんだな・・・。

昼前までターミナルでロボットを書いていたオイラは、突然、近くを飛び交う宇宙怪電波を察知した。捕まえて解読すると、この町のどこかにパワーアップアイテムが隠されているかもしれないとの事だった。罠かもしれないとは思ったが、ちょうどこれから自転車のパーツ（タイヤ）を購入する為に街中まで走るので、一緒に探索もしてみる事にした。
まず、事前に電話をして場所を聞いていた、鹿児島大学農学部前にある“サイクルショップ茶輪子”さんを見つけてタイヤを２本購入した。これで、不意に訪れるバーストくんも怖くなくなったんだな。そして、駅のある繁華街の方へ走り、今朝の怪電波情報を探索してみた。
西鹿児島駅周辺は、人通りも多く沢山のお店が建並んでいた。少し走ると橋があり、大久保利通 の銅像が建っていた。何気に振り返ると、向かいのベスト電器の一画に“わんぱくこぞう鹿児島店”さんが見えた。むむ・・・！何かを感じたオイラは、パワーアップアイテムの情報が無いかとお店に入って行くのであった。・・・という事でいつもの通 り、この続きはぱっくんぽっけ本誌において、いつか！？公開されるはずなので、見てみてくださいなんだな。
“わんぱくこぞう鹿児島店”の重水店長様、スタッフの皆様、お茶ご馳走様でした。そして大変お世話になりました。また、お店でオイラが声をかけて協力して頂いたお客様、本当にありがとうございました。大変ユニークで面 白い店長と楽しいスタッフがいる“わんぱくこぞう鹿児島店”さんは、地域の中でなくてはならない、オアシスのような場所になっていると思います。これからも、地域密着型で頑張ってくださいませなんだな。そして本部の“川上”さん電話ありがとうございました。
自転車の不調をもう少し直しておこうと、再び“サイクルショップ茶輪子”さんを訪れたオイラは、「ギアチェンジをするとチェーンが滑るのです」と、いった相談を山田社長さんにしてみた。すると、ギアが磨耗して滑っているのだろうという事で、旅をしているオイラを気遣って、８段目と７段目のギアを中古だからとタダで交換してくれ、さらに、ジュースや飴までもらってしまったのだ。社長、奥様、本当にありがとうございました。また、無事旅が終了しましたらお便りを致します。
夕方、北埠頭ターミナルへ帰ったオイラは、またロボットを書き始めた。しかし、当たり前なのだけれど訪れる旅行客や従業員の視線を強く感じる為、なかなかスラスラと書き続ける事が出来ないんだな。仕方がないので、明日は冷房設備が整った安い宿泊施設を探して泊まろう！と、考えつつPM８：００になり、いつもの公園のオイラの縄張りへ行って、星空の下でマットだけを引き、デザインの続きをするのであった。

\7,500

昨夜、屋久島から帰って来て野宿する場所をさがしていた、神奈川県出身の“生田”さんと公園のボードウォークに一緒に泊まり、楽しくお話をしたのだが、生田さんが使っている青春１８切符の都合により、今朝早くお別 れをした。・・・生田さん、短い間でしたが楽しかったです。また無事帰還しましたらお便り致します。
いつものように北埠頭フェリーターミナルへお邪魔して、いつもの定位置でスケッチブックを広げているオイラは、いつの間にか目の前の海運株式会社のおじさんや警備のおじさん、ビル内の清掃に来ているおばさん達と、話しをするようになっていた。やはり何日も同じ位 置でスケッチブックやパソコンを広げている変なおにーさんがいれば、誰でも気になるようだ。
PM１：００、平均的なチェックインの時間が３時からなので、そろそろ開いているかなとオイラは安い宿泊施設を探した。すると、目と鼻の先に１泊３８００円で泊まれるビジネスホテル“ニュー寿々屋（すずや）”さんを見つけた。クーラーも２４時間使えるし、まあまあ綺麗だし、よし！ここにしよう！と、オイラは即断即決で決めて泊めてもらう事にした。
しかし、そうこうするうちにオイラの考えは甘かった事に気付いた。ターミナルに居た時は、色々な人に見られる緊張感からあまり眠たくなる事は無かったが、１人になると緊張感が薄れて安心感がＵＰする為、眠たくなるのである。しかも、ここ最近まともに寝ていなかったのでなおさらの事である。すやすやすや、ガリガリガリ、すやすやすや、ガリガリガリと、寝て起きて描いて寝て起きて描いて何か食べてを繰り返しながら、ホテルにカンズメ状態の堕落した“えせ売れっ子デザイナー”生活が始まるのであった。

\5,890