今日は１日、日記を書く事にした。何よりも小平町からホタテ（殻付き）の新鮮なやつが届くので、夜にホタテバーベキューをするという事でまたまた誘われているのだ。殻の付いたホタテなど食べた事が無く、全てが未体験ゾーンなのですごく楽しみなんだな。
やはり、疲れの溜まったオイラの体には、フリーな１日は眠りを誘うんだな。たいして進んでいない日記のタイピングを悔やみつつも、夕方からホタテパーティーの準備をし、殻が直径１８ｃｍ位 あるホタテを炭火で焼き始めた。そしてびっくりした！殻が開いて、中から直径１０ｃｍ位 の巨大なホタテ肉が出現したのだ。・・・で、でかい。どうやらホタテの焼き方があるらしい。貝の黒い色の方を上にして焼き、口が開くと裏返して白い方の殻を剥ぐってしまうのだ。そしてある程度火が通 ったら肉が殻にくっついてしまわないように殻から剥がし、ひっくり返しながらお好みでバターと醤油を付けて焼いて食べるらしい。
オイラは満足したお腹を抱えつつ、今日もメロンパーティーに参加するのであった。そして体も激太りするのであった。

今日は、流石に残りの日記をタイピングして編集部へ画像と一緒に送信し、先へ進まなくてはならない！と、AM２：３０からガシガシ打っては３０分居眠りをし、ガシガシ打っては３０分居眠りをしてと、AM７：００までアホな事を繰り返していた。朝食をご馳走になり、やっと目が覚めたオイラは画像の送信をしつつ、また日記をタイピングし始めた。モバイラーカードの基地が遠く、通 信速度が遅い為に部屋から出て外の道端でイスに座り、雲が飛び交う青空の中、黙々とタイピングするのである。
やはり北海道は冷戦の名残とかで、自衛隊の駐屯地が多く、この辺りの国道を走ればかならず自衛隊の車両部隊に会うし、サロベツ原野付近では水陸両用の揚陸艇を見たし、この間は輸送ヘリに囲まれてヒューイコブラが飛んでいた。今日はゴーという音と共に戦闘機（ＦＳＸかＦ−１５）が飛び去って行ったんだな。前回来た時は十勝岳の方で大砲をドッカンドッカンやっていたし、自然が多くおおらかな大地が存在する反面 、そっち方面は殺伐とした雰囲気に包まれているんだな。
PM９：００くらいまでかかって画像の送信を完了し、何とか日記にめどをつけたオイラは明日の朝早くに旅立つ事を告げ、眠りに就くのであった・・・ 。

今日は出発の日だ。みんなが作業の手を休めて集まってきた。名残惜しくも長居してしまった事を詫び、おばあちゃんから道中にお食べとおむすびを３個もらって、オイラはＡＭ８：３０に再び“ふくだめろん”さんから旅立った。オイラが見えなくなるまで手を振ってくれた“ふくだめろん”の皆様。社長・奥さん・おばーちゃん・清志郎くん・孝明くん・史くん・パートのおばちゃん、ありがとうございました。そしてお世話になりました。これからもずっと元気に楽しく頑張って美味しいメロンを作ってください。では、またいつか会える日を楽しみにしています。・・・来年？
オイラは走った。明日には室蘭市（むろらんし）からフェリーに乗って青森県の八戸市（はちのへし）へ渡りたいので、前回来た時は２３７号線の金山から左に折れて帯広市へ行ったが、今回は真っ直ぐ走り、金山峠と日高峠を越えて太平洋側の苫小牧市（とまこまいし）方面 へ走った。覚悟はしていたが、流石にアップダウンが激しい。
途中の占冠村にある道の駅脇の公園で昼食を取ろうと近寄ってオイラは驚いたんだな。稚内のライダーハウスで一緒に泊まった、ぱっくんぽっけやオイラを知っていた“登口”くんが、キャンプしていたのだ。おおお、奇遇ですなぁ〜と、オイラ達は別 れた後の情報交換をし、それではまたお元気でと再度わかれたんだな。こんな寄寓なら沢山あって欲しいものである。
かなり疲労が溜まり辺りも暗くなってきた頃、沙流郡平取町のアイヌ文化博物館にたどり着いた。PM６：００を回っていたので残念ながら博物館は閉館していたが、近くのおみやげ屋さん“北の工房　つとむ”さんが開いていたので入ってみる事にした。
そこは木工品がメインのお土産屋さんでお店の一角でご主人が製作されているのだ。そしてご主人はオイラに言った。「私も昔“サイクル野郎”というマンガを読んで自転車で日本一周をしようとした事があったんだ。」・・・！「あぁ、僕も日本一周をしているのは“サイクル野郎”の影響なんです！」とオイラは言った。それから“サイクル野郎”という奇妙な縁で話しは盛り上がり、閉店まで居座ってしまったオイラに“かるーいスナック　ハイ！おやつ”をくれた、“北の工房　つとむ”さんありがとうございました。また北海道に来たら遊びに来きます。
多少体力が回復したオイラはまた走り出した。そして苫小牧が近くなった辺りで力尽き、綺麗な戸の閉まるバス停を見つけたので泊まらせてもらう事にした。

苫小牧か室蘭か、フェリーの乗船場所を考えていたのだが、どちらも同じ料金で苫小牧の方がオイラの現在地から近く、八戸までの便数が多かったので苫小牧から乗る事にした。と、いう事で今日は苫小牧まで行き、真昼間の温泉に入ってから映画を見て、束の間の現実世界をエンジョイする事にするんだな。
苫小牧の街中にある映画館は平日の昼ということもあり、お客は４人の貸しきり状態。オイラは“ターミネーター３”を見る事にした。・・・面 白かった！オイラ的にはＴ２の時より面白かった！！手に汗を握るとはこの事なんだな！女型サイボーグＴＸが・・・・・おおっと、まだ見てない人の為に解説はよしておこう。しかし、更に見たい映画が出来てしまった。予告で見た“トゥームレイダー２”なんだな。オイラがセガサターンで一番はまったゲームのハリウッド映画版で、１作目は、ゲーム版のイメージを壊さないように良くここまで作ったなあと感心したもんだな。公開は９月位 なので広島県あたりで見に行ってみるんだな。みなさんも映画を見る前にゲームをしてみてください。ああ、映画でララはこんな平静な顔を装っているけど、本当は辛く厳しい冒険をしているんだなと、より感情移入が出来ると思うんだな。
PM２１：１５、オイラは川崎近海汽船株式会社のフェリー“シルバークィーン号”に乗って北海道から離れた。すごく寂しい気持ちになった。これからも沢山良い所、住んでみたい所を見て行くと思うが、確実に北海道はオイラの記憶回路に焼き付いたんだな。

AM４：１５、青森県八戸市の八戸港に着いたオイラは、フェリーで知り合った岩手県から来たハーレー乗りのおじさんと気が合い話し込んだ。２０年前製造のレトロなハーレーはとてもかっこよく、写 真を沢山取らせてもらった。その後、おじさんと別れたオイラは日記や画像を送信する為、八戸のフェリーターミナルに昼まで居座った。
PM１２：００、オイラは再び本州を走り始めた。しかし、走り始めるとすぐに違和感が襲った。アップダウンの間隔が短く、家が狭い場所に小さく建ち並び、植物が乱雑に伸び合い種類が変わった。一番変わった事は、歩道が狭くて（無い場所も沢山ある）走りづらくなった事なんだな。やはり、北海道に長く居すぎてしまった。後遺症なんだな。
オイラは足取りは重く、太平洋側を走る国道４５号線を南下した。しかし、人の精神構造とは単純なモノである。途中の坂道で下校中の小学生や中学生に話しかけられたり、「頑張ってください」って言われたとたんに足取りが軽くなり、マシンガンアップダウンもなんのそのと、坂をスイスイ登り始めたのである。そのパワーを借りて青森県久慈市まで走り、雨が降りそうなので大きい橋を見つけて、今日はここの下で野営することにした。原子内辺りでオイラに力をくれた小中学生、ありがとう！

行けども行けども、山また山なんだな。一山（峠）を越えると町が現れ、３〜５山越えると大きな街が現れるんだな。マシンガンアップダウンの旧道を避けて、国道を走っているのにこのありさま・・・お、恐るべし三陸のリアス式海岸。恐るべし浜街道。
PM７：００、次の山（峠）を越えた所に道の駅があるのでそこで野宿をと思っていたのだが、辺りは暗くなり、雨は降っているし大型車の交通 も多くて危険なので、偶然出くわした、摂待駅の広場にある農産品直売所の屋根の下で、雨を凌ぎながら野営する事にした。PM９：００位 まで電車が止まる為、テント設営中に何人かの人と挨拶を交わしたのだが、その中の一人のおにーさんが「よく体を休めて明日も頑張って走ってください」と、牛乳をくれたのだ。嬉しかった。地元の人達の優しさ暖かさを感じながらオイラは寝るのであった。

今日もひたすら太平洋側の４５号線を南下しているオイラは、田老（たろう）駅の近くにある餅屋さんで団子をスーパーでカップラーメンを買って朝食にした。この辺りは太平洋沖で地震が あると被害をもたらす津波が来るみたいで、いたるところに津波避難警告の看板が立っている。
どれだけ山（峠）を越えただろうか、昨日はお風呂に入れなかったのでまだ昼なのだが地図上の通 り道に温泉を見つけたので、一服がてらにそこへ走る事にした。温泉は港町の海水浴場近くに建っていた。子供達が海水浴場に集まり、飾られたボートに乗って訓練している。どうやら明日は海開きに合わせてボート競走があるみたいだ。
温泉の湯は江戸っ子が好むくらいの温度で、我慢して入っていると手足が痺れてきて熱いのか冷たいのか分からなくなってくるのだ。なので、当然風呂から上がればアイスクリームに手が伸びるのは必然。オイラは“アイスガイ”を選び、先に座っていた管理人のおじいさんの前のイスに腰掛け、おじいさんと話し込んだ。
80歳になるおじいさんは、色々な話をしてくれたが、そのうちの一つ“狐の嫁入り”の話しは興味深いものがあった。オイラ達がその名を聞くと晴れた日に雨が降ってくることかと思ってしまうのだが、おじいさんの友人が見たという本物は、辺りが薄暗くなってきた頃、まるで灯篭に火が灯るように野にポッ、ポッ、ポッと明かりが灯るらしいのだ。で、おじいさん達の見解によれば、発情期のメス狐がおしっこを尻尾につけて高く掲げ、匂い等でオスを呼んでいるのではないかという事だった。そしてリンが含まれているのでポッと光って見えるらしいのだ。流石、“遠野”に近いだけあって楽しい昔話や伝説が残っているんだな。
風呂から上がり、おじいさんに別れを告げたオイラは、鉄鋼の町“釜石市”の中心部を抜け（残念ながら２８３号線に乗り遠野市に行きたかったのだが、日程の都合で次回来れた時までお預けとする事にした）途中にある“唐丹（とうに）駅”前の屋根の下で野営をする事にした。雨の中の野営は場所の確保に苦労するが、やってみると案外オツなモノなんだな。