どこの町でも大きな公園はラジオ体操の集会があるようで、AM４：００くらいから散歩がてらに集まってきたおじさんやおばさんに囲まれ、話しかけられながらオイラはテントを片付けた。昨日、神居古潭で買った、ゆでモロコシ（しゃきしゃきした歯応えとコーンの甘味が美味い）と４枚入りのみそぱん（乾パンを味噌味にした感じ。味噌の風味が美味いがパサパサしているので飲み物がいる）を食べながら、走行ルートの確認と日記をつける。今日はかねてから計画していた、富良野でアルバイトを探すんだな。
旭川をＡＭ９：００に出発し、時折訪れる緩やかなアップダウンを越え、着陸する巨大な飛行機を見ながら旭川空港横の２３７号線を走ると、だんだんと美瑛町の辺りから北海道っぽい景色（オイラの思い込み！）になって来た。広大な丘陵地にぽつぽつと点在する農家の家や牛舎、牧草地や麦畑。色とりどりの花が咲き乱れ、遠くの山にはまだ雪が残っていて十勝岳からは、噴煙がモクモクと立ち上っている。
おお、これだ！これが北海道だと、感動に震えながら富良野に入る。富良野といっても空知郡上富良野町・空知郡中富良野町・富良野市・空知郡南富良野町と、長細く構成されていて富良野市等は結構町として栄えているんだな。付近には温泉やスキー場、おしゃれな食べ物屋さんやお土産屋さん、幻の魚“イトウ（イワナを１〜２ｍにした感じで小鳥やネズミまで食べてしまう魚）”が釣れるかもしれない湖などが有り、７月初旬からラベンダーで町周辺の丘が紫色に染まるんだな。あ、それと、麗郷（ろくごう）や山部の辺りには“北の国から”で撮影に使われた場所があるので、好きな人にはたまらないと思うんだな。るるるるぅ〜♪
オイラは、アルバイトをするならライダーハウスで聞けと、八雲の町で出会ったサイクル野郎に教わったとおり、マップで見つけた“ライダーハウスふくだめろん”さん（名前にめろんと付くので農業系のアルバイトを紹介してもらいやすいかなと思った）を探し、自宅前の花壇で作業をしていたおばあさんに宿泊とアルバイトの紹介をお願いしに行った。すると、「私じゃ細かい事は分からん」と、ビニールハウスのある広大な畑の方に連れて行かれ、息子さん（５代目社長）に会わせてくれた。
衝撃的だった。ロン毛でピアスをした作業着姿の浅黒い筋肉質なかっこいい人が話し掛けて来た。年の頃は３０代後半（後で聞いた話しでは４０代らしいが見た目はすごく若わかしい）。身をまとう雰囲気に少し鋭さを感じ取れるんだな。オイラの気のせいかな・・・。オイラは１週間アルバイトがしたい事を話すと、「どうする？」と一緒に作業をしていた奥さんと息子さんに話しかけた。そしてＯＫがでた。ん？ＯＫ？と思った方もいるだろう。そうなんだな、どうやら丁度忙しい時だったらしく、オイラはこの“ふくだメロン観光農園”さんでアルバイトさせてもらえる事になったんだな。やったー！初めての農業体験だっ！と、浮かれながらアルバイト料の事や宿泊（従業員扱いで個室を貸してくれた）のルール等を聞き、オイラは自分の正体（「ウラタ２号（改）」である事）やぱっくん企画の事や日本一周の事を話して、お互いの認識を深めた。
・・・書く事がありすぎて長くなるので、夕食の話は明日の日記に書くんだな・・・。

昨日の夕食は衝撃的で感動的だったんだな。まず、初対面の家族と食卓を囲んで普通にご飯を食べるという事が無いので、恐縮してご飯もあまり喉を通らなかった。でも、従業員は家族と同じだという感覚で接してくれるのだ。これがすごく嬉しい。そして食事中に、あの“宇田多ヒカル”一家がプライベートで来て泊まった（写真、サインなど証拠になるものは一切もらえなかったらしい）事や、６月初旬に“ウンナンの気分は上々”のロケがあった（ウッチャン・平山綾・ガッツ石松・出川と一緒に取った写 真をオイラも記念にもらった）事など、これからも芸能人が沢山訪れる事を教えてくれたんだな。ウンナンの気分は上々の放送日は多分“７月４日”と言う事なので、カットされてなければオイラが働いているふくだメロン観光農園と社長が映ると思います。みなさん見てくださいなんだな。
今日は、AM６：００に起床し、新たに始めたというイチゴ栽培の作業を手伝った。植え替えをする前の苗にはどんな苗でもたっぷりと水をやるらしく、オイラの最初の作業はイチゴの苗が入ったポットにたっぷり水をやる事だった。AM７：００、朝食を食べて少し休憩し、またイチゴの苗にたっぷりと水をやる作業をする。やはり慣れていないせいか腰が痛くなって来たんだな。この作業が終わると、次は畑の植え付けをする場所に杭で穴あけしていく。あとで違う人がポットから取り出した土と苗をその穴に埋めていくのだ。ひたすら穴を開けまくるんだな。そしてPM１２：００。昼休憩は１時間なんだな。みんなで一緒に昼食を２０分くらいで食べて、疲れを取る為に部屋へ戻って速攻で寝るのだ。午後からはハウスの片付けをする。一番端っこにあるハウスの、土の温度を保つ為に地面全体に敷いてあるシートやビニールやもみ殻を撤去するのだ。すごいホコリで、ほどなくオイラの鼻の穴は真っ黒くろすけでいっぱいになった。
PM５：００仕事終了。おおっ、真っ黒な鼻くそがぼろぼろ出てくるだとか、オイラもたくましい体つきになってきたなあ〜とか、つぶやきながらシャワーを借り、その後、夕食を頂く。今日も危ない話しから楽しい話まで色々聞かせてもらいながら食事をする。オイラはビールやお酒をほぼ飲まないロボなのだが、勧められたのとコミュニケーションを取る為に初めて２本も飲んだ。楽しかったが、やっぱり大人の味は苦手なんだな。
今日も一日楽しかったんだな。久しぶりにいい仕事をしたぁ〜って気分になってなんだかスッキリ。また明日も楽しむんだな・・・。

ごめんなさい。最近、書く事が多くなってどんどんと日記の文字数が増え続けていたので、読むのが面倒になったり読みにくかったりしていたと思います。オイラも書いている時間がいつの間にか増え、走行に支障が出始めて来たので、ここからセーブして執筆しようと思いますので、ご了承くださいなんだな。
今日はAM５：３０から仕事開始なんだな。最初の作業はメロンの皿ひき。栄養を集中させて大きくて美味しいメロンを作る為、１本の苗から２本の蔓（茎？）を出し、合計４個の大きいものや形のいいものだけを残して残りは間引いてしまうのだ。そして残した４個の下に発泡スチロールのお皿をひいて、ヘタが上に向くようにまっすぐ立て、傷が着かない様にいたわってやるんだな。確かにこんなに手間をかけて育てられている事を考えると、メロンが安いはずが無いと思った。オイラは痛む腰を伸ばしながら、改めてメロンを、いや、農作物を作る大変さを認識したんだな。
朝食を食べ、皿ひきの続きと間引いた小さいメロン（漬物用にもらっていく人がいる）の回収を終わらせてから、ビニールハウスの周りに散乱している別の日に間引いていた蔓（茎？）を猫車で回収する。そして、それが終わるとメロンの芽摘みをした。芽摘みは、メロンの皿ひきをするかなり前の段階で、これも栄養を集中させて大きくて美味しいメロンを作る為の作業なんだな。これはかなり慎重にしなければいけない仕事なので、素人のオイラにさせてくれたのは奇跡に近い事なんだな。メロンの皿ひきで長時間前かがみになっていたので、今日は流石に腰と太股の筋肉が痛くなった。明日、起き上がれるか心配なんだな。
昨日から自転車で旅をしている女の子が二人もライダーハウス（女性はタダで泊まれる）に泊まっているんだな。すごい冒険心と勇気のいる事だと思うのでオイラは感動したんだな。

今日は別のビニールハウスでメロンの皿ひきをする。AM５：３０から仕事開始なんだな。最近、夜１１時には就寝し朝５時に起きる生活をしていたので、ばっちりサイクルが合う。腰は痛いが、気分はさわやかスキッと爽快なんだな。場所が盆地な所で、丘陵地が多く、あまり高い山もないなので、空が広くて気持ちがいい。本州は梅雨に入ったらしいが、こちらはひんやりしてカラッとした風が吹いてくるのでジトジトしない。岡山県に居る時は、本当に北海道には梅雨が無いのか半信半疑だったが、体験してみて良くわかったんだな。しかし、流石にビニールハウスの中は梅雨のジトジトに夏の日差しをプラスしたくらいの環境になる。オイラはまだ何とかなるが、北海道の低い気温に慣れた人達は大変そうなんだな。
皿ひきが終わった後は、１６日（月）に終わらしたイチゴ畑で泥拭き作業をした。イチゴが育った時に泥が着かない様、片道２００メートルのシートで覆われた土手を拭いていくのだ。ふきふきふきふきと４往復した頃に今日の仕事が終了した。
昨日の腰の痛みがプラスされて、腰辺りの筋肉痛が激化しているんだな。やっぱり農家の方々はすごいんだな。そういえばココに来るまでにかなりの温泉や銭湯に入って来たが、都会ではぷよぷよした体で疲れきった顔の人が多かった。それにくらべて田舎の人は筋肉質で体が引き締まっている方が大半で、老人は背骨が曲がっていない生き生きとした顔でシャキシャキ歩く人が多いと思った。都会で生きるという事は便利なようだが、人間（動物）としては無理をしながら不自然に生きているんだと、オイラのきしむ腰と爪の中の土が教えてくれたんだな。
そして今日は、福田家長男の清志郎くん（雰囲気が巨人の高橋由伸に似ているナイスガイ）と夜遅く、といっても１２時くらいまでお酒を飲んで楽しく盛り上がったんだな。

今日はAM６：００仕事開始。昨日は夜遅くまで騒いだので朝が眠いんだな。あくびをしつつ、午前中は福田さん宅の横にあるメロンの直売所を片付けて、お店を開ける状態にする。机運びを手伝った後、オイラはひたすら拭き掃除をする。ビニールハウスの仕事より楽にたのしく喋りながら作業できたので、いい息抜きになった。ふぅ〜・・・。
昼食を取ってからメロン栽培をしているビニールハウスの中のメロンの苗に被せてある、ビニールとパイプを撤収する作業をする。まずは、１０数棟あるビニールハウスの中に、２列並んでいるビニールを外して手でたぐり寄せ、巻き上げて縛る作業なのだが、なにせ長さ２００メートル有るのでたぐり寄せるだけで大変なんだな。オイラはこの作業を２日やっただけで、二の腕や肩の後ろから背中の辺りの筋肉がムキムキキングにっ！自転車に乗るのに役に立つ筋肉なのでありがたいんだな。
そして、今日から一ヶ月間ふくだめろんさんで働く事になった、佐藤２号くん（社員のタカアキくんも佐藤なので！）が午後から合流し午前の続きをする。この日は、社員のタカアキくんがハッスルして、ビニールの片付けをしたのでかなり片づいたんだな。佐藤２号くんは兵庫県の加古川からバイクで旅をしている１９歳の大学生で、アルバイトをしながら旅をしているらしいんだな。
大笑いしながら仕事をした今日は本当に幸せを感じたんだな。お金なんか無くても将来が安定しなくても便利じゃなくても、みんなで大笑いしながら、大自然の中で気持ちよく楽しく生活が出来たら、どんなに幸せな事だろうとしみじみ思ったんだな。

昨日の夜は満天の星空が広がっていたので、ふと偶然見上げた北斗七星の辺りに、スーーーーと動く光を見つけた。人工衛星なんだな。岡山に在る実家でも昔見た事があるが、星のように瞬きをしない光が一直線にゆっくりとしたスピードで通り過ぎる。見つけた時は感動的なんだな。
今日は、仕事が終わってから佐藤２号くんとオイラの歓送迎会を開いてくれるという。楽しみなんだな。AM６：３０起床で昨日の続きのビニールとパイプの撤収作業をする。午前中にはビニールの片づけが済み、昼食を食べて午後からパイプの方を撤去する。ビニールが無くなってむき出しになったパイプ群は、まるで恐竜のあばら骨のようにビニールハウスの中に横たわっている。半円を描いた形のパイプを端の方から抜いて行き、10本まとめてから縛り、ビニールハウスの中から運び出して行く。行き返りも道は１本しかないので、清志郎くんを中心に、みんなで創意工夫しながらどんどん片付けて行くが、やはり大量にあるので今日中には終わらなかった。しかも雨が降り出してきた。
仕事も終わり、シャワーを浴びて部屋でくつろいでいるとオイラ達を呼ぶ声がした。宴の始まりである。雨の中、納屋の屋根の下におばあちゃん、社長、奥さん、長男の清志郎くん、社員のタカアキくん、これから1ヶ月働く佐藤2号くん、そしてオイラと社長の友人の総勢８人でバーベキューコンロを囲み、おもいおもいにビールやお茶を飲みつつ肉が焼けるのを待つ。
最初に大量投入された肉は、オイラは耳にした事が無い名前“さがり”といって、豚の横隔膜（ハラミ）なんだな。塩コショウをした一口サイズのそれは、噛めばかむほど肉汁があふれ出す激美味の肉なんだな。オイラはこれだけでどんぶり１杯のご飯をたいらげてしまった。この次はフランクフルトと羊の肉が投入された。羊の肉はレバーのような臭みが少しあるが、柔らかくこれまた絶品だったんだな。次に投入されたのは塩ホルモン。真っ白でコリコリした歯応えは、おつまみに最高なんだな。まだタン等沢山の肉が残っていたが、オイラ達はもう撃沈状態。ふぅ〜。腹いっぱい美味しい肉を食べて大満足なんだな。明日もがんばるぞ！

今日はアルバイト最後の日。清志郎くんとタカアキくんは昨日のバーベキューパーティーの後、２次会に行きAM１：００くらいまで飲んでいたらしく、今日の朝はダウン。更に２人とも食あたりらしい症状を訴え、タカアキくんは軽かったみたいで作業を続け、症状が重かった清志郎くんは昼まで休んだ。気温20〜30度の間が食中毒菌の活動が活発になる時で、いくら北海道だといっても今の時期は危険なときなので、二人とも体に気を付け野望に向かって頑張ってくださいなんだな。
AM６：００からメロンの皿ひきの手伝いを始め、午後からは青い顔の清志郎くんが加わり、残ったハウス内のパイプを片付けて終わると、初日に片付けたハウスの鉄骨以外全てを撤収した。最後の仕事は後で植える予定だった米の苗をポットから抜き、捨てる事だった。なんだかかわいそうだったので、オイラの自転車に積んで栽培しながら走ろうかと思ってみたが、難しい事が分かったので止めた。
ふくだめろん観光農園の皆様短い間でしたが、家族や友達のように接してくれてありがとうございました。“おばあさん”ご飯や丸かじりトマトありがとうございました。美味しかったです。“社長”色々な事を教えてくださり、ありがとうございました。体に気を付けて危ない橋を渡り過ぎないようにしてください。“奥さん”いつも洗濯してくれてありがとうございました。買い物楽しかったです。“清志郎くん”福田メロンの６代目を目指し、体に気を付けて楽しんで頑張って野望を達成してね。キミが居ればふくだメロンは安泰だ！“タカアキくん”これからも楽しく清志郎くんをサポートしてください。かっこいいバイクで事故しないようにね。“佐藤２号くん”またどこかで会おう。富良野で注文した本は買えたかい？“トラちゃん”みぃっみぃっと鳴きながら擦り寄ってきてくれてありがとう。心が和んだよ。
人間は自然の一部であり、全ての自然は自然同士で助け合い、生かし合い、殺し合っている。全てが自然の理なんだと再認識した体験だったんだな。面 白かった！また来年も来たいなあ・・・ 。