今日は、wanpaku本部から“森川”さんと“飯塚”さん夫妻が応援に駆けつけてくれる事になっていたので、オイラは湯村温泉で落ち合う事にした。湯村温泉は、兵庫県北部の山深い場所に位 置する古くからある温泉地の一つで、３００円で入れる大衆浴場や綺麗な町営の温泉施設、足湯や温泉たまごを作る場所に、雰囲気のある温泉街が旅情をかき立ててくれるんだな。
“森川”さんと“飯塚”さん夫妻は夕方前に湯村温泉にやって来た。久しぶりに会うオイラ達は無事を喜びあい、まず温泉たまごにチャレンジする事にした。それは、ネットに沢山入っている温泉たまごを買い、ボコボコと沸いている温泉の中に浸けて、指定された時間に引き上げる簡単なものなのだが、用心しないと、コロコロと地面 で転がして殻を割り、殻を剥ぎやすくしようとした“森川”さんの様に、グワシャ！と潰してしまうんだな。泣いている“森川”さんを尻目に、“飯塚”さん夫婦とオイラは、上手に殻をむいで、黄身が半熟で激美味なたまごをいただいたんだな。
その後、温泉に入ってポッカポカになって、夕食を食べる場所を探してみたけど近くに無かったので、お開きにする事になった。名残惜しい気もするが、５日もすれば岡山で会えるので、また岡山で無事に会いましょうとお別 れしたんだな。
“飯塚”さん夫妻様、“森川”様、こんなに遠い場所まで応援に来てくださって、本当にありがとうございました。温泉たまご美味しかったです。また岡山に帰った時、ゴリさんを可愛がってやってください。また、オイラも可愛がってやってくださいなんだな。
・・・どうやら雨が降ってきたみたいなんだな。すっかり暗くなってしまった温泉街を歩き、事前に見つけていた区役所前にある屋根の付いた自転車置き場の片隅に、テントを建てて空を見ていたオイラは、「う〜ん、こりゃあ明日も雨なんだなぁ・・・」と、呟いた。

鳥取砂丘近くにある焼肉屋のおじさんとおばさん・森川さん・飯塚さん夫妻・ゴリさん・湯村温泉のラーメン屋のおばちゃん

夕食（湯村温泉のラーメン）

やはり、今日は予想通りに雨になったんだな。選んだ場所が良かったのでテントを濡らさずに済んだオイラは、野営セットを仕舞い、カッパを着て湯村温泉街を後にした。しかし、今日は雨・風・坂と最悪な条件が揃ってしまったんだな。そして、そんな最悪の条件下で頑張ってガシガシと走っていたオイラに、追加の最悪が加えられたんだな・・・。バースト（オイラはタイヤの横が裂けるときにチューブも裂けてパンクする事をそう呼んでいる）。前輪より新しい後輪のタイヤが、先にお亡くなりになられてしまったんだな。 ゴリさんの世話をしつつ大きな山を越え、山に囲まれた町“和田山町”にさしかかった時、突然、後ろタイヤから「プシュウー・・・」という音がしたんだな。ああ、こんなに急いでいる時にバーストするなんて・・・と、青ざめたがどうしようもないので、屋根のある修理の出来そうな場所を探して歩いた。すると、一番端のすし屋さんしか営業していない長屋タイプの店舗で、営業していないお店の前に良さそうな場所を見つけたんだな。そして、夕方も近くなり、直しても走る事が出来ないと判断したオイラは、ここで野営する事にしたんだな。

ゴリさん・遠坂有料トンネルで出会ったおじいさん

明日の朝食（パン×２）

朝早く起きてタイヤとチューブを新しいものに交換したオイラは、再び激走モードに突入した。フロントバックの中で揺れまくっているゴリさんには本当に悪いが、これから４日間は最高に時間を争うので、「ごめんなさい」としか言えないんだな。と、いうのも宇宙を飛び交う亜空間通 信をキャッチして解読した結果、神戸市東灘区に強化パーツがあるとの情報を得たのだ。それも明日中に行かないと消えてしまうらしいんだな。様々なタイムリミットを持って走る弾丸と化したオイラは、雨にも負けずに走り続けるのであった。
そしてそれは突然訪れた、「えっ？なに？・・・・・・・・・・・！」　オイラは呆然と立ち尽くした。後ろのタイヤがパンクしたのだ。しかもシトシトと雨が降る夕闇の山間部！昨日に続いて最悪の条件が重なり、新しく履いたタイヤに刺さっていた石の様な陶器の様な物を見て、さらに打ちのめされたんだな。やはりツーキニスト（ナショナルが日本の道を考えて開発された強いタイヤ）にしておけばよかった・・・。この最悪な条件下で、後の祭りを体験してしまったオイラは、こんな場所で嘆いていても仕方ないと雨の街を歩き、西宮山口高速道路近くにあった公園を見つけて、あずま屋の屋根下にテントを張って明日を待つ事にした。・・・唯一の救いは、ゴリさんがなついてくれる事だった。ゴリさんありがとう。

ゴリさん

夕食（コンビニ弁当）

朝になって雨も上がり、日が射して来た頃に手持ちのパンク修理キットでチューブの穴を塞ぎ終わったオイラは、何とか今日の昼までに東灘区へ行けそうだなと、自転車を走らせた。そして、すぐに後ろタイヤから違和感を感じた。？・・・！ゲゲッ、タイヤに空気が無い・・・という事は、３箇所ほど直した場所以外にも穴が開いていたのか・・・と、嘆き悲しんだが、こんな時ほど落ち着いて行動しないと、事故を呼んでしまうと冷静になったオイラは、全て使ってしまった修理キットを買う為、販売している場所の情報を得ようと、近くのコインランドリーへ行った。汚れた服も溜まっていたので、一石二鳥なんだな。
コインランドリーのおばさんに、ホームセンターの場所を教わったオイラは、洗濯している間に歩いて買いに行き、乾燥している間に隣の空き地でパンク修理を終わらせた。なんとか出発出来る状態になったオイラは、おばさんにお礼を言い、再び激走モードで東灘区を目指したんだな。
東灘区に着いた頃にはPM３：００を回っていたが、なんとかギリギリタイムリミットに間に合ったオイラは、情報にあった“わんぱくこぞう東灘住吉店”を国道２号線沿いにある住吉神社の近くで見つけ、冒険ネコ“ゴリさん”と供に店内へ潜入するのであった。・・・・・・・・→と、いう事でこの続きはまた後日、ぱっくんぽっけ本誌で語られると思うので、楽しみにお待ちくださいなんだな。
わんぱくこぞう東灘住吉店の店長様・スタッフ様、多忙な時間にお伺いしてすみませんでした。そして、一生懸命手伝っていただいた事に感謝します。皆さんのお客様への対応等、相手を思いやる素早い阿吽の呼吸で仕事をされている姿を見て、安心感を感じました。お客様も安心して買いに来る事が出来ると思います。これからも、相手を思いやる素早い阿吽の呼吸で、安心で楽しいお店を作ってください。ゴリさんも、「粗相して悪かったにゃあって言っといて」と、言っていたんだな。
オイラは、遅れている行程を少しでも取り戻す為、姫路まで走りきる事にした。あと３日、もう３日でこの強行突破も終わらす事が出来る。早く帰り、頃合を見て、またいつか出直すんだ・・・と、意識朦朧のロボットを乗せたフラフラ自転車が、深夜を越えた夜の街を彷徨い走っていたのだった。

わんぱくこぞう東灘住吉店の店長様、スタッフ様

飲み物

小さな駅近くの自転車置き場にテントを張っていたので、電車を使う通勤通学の人達に異形の目で見られていたと思うが、最近は見られる事に慣れてしまっていた。逆に沢山の人々に見て欲しい、そして多くの人に旅の素晴らしさを知って欲しいと思うようになっていた。特に、この世の中に不満を抱いている人や人生に悩んでいる人に、旅がそれらを解決する手段の一つだという事を教えてあげたい、見せてあげたいと何時も思いながら自転車を走らせているんだな。
そして、今日も２号線を走る鬼がいた。凄い形相で自転車を漕ぐ鬼は、朝・昼・夜を問わず、歩道や車道のでこぼこ道をものともせず、喉の渇きも忘れて湧き出る乳酸にも怯まず、一心不乱に自転車を漕いでいたんだな・・・。
思い起こせば、ありがたい事に様々な土地で沢山の人と出会う事が出来たんだな。今思うと、やはり自転車だから良かったのだと思うんだな。車やバイク、電車や徒歩、車椅子と十人十色な旅のかたちがあると思うのだが、その中で、自力によって前に進む旅はスピードが遅い分、走っている間も様々な物や事を良く見る事が出来るし、その土地の人々が良く見てくれていて、色々な人が「大変だろう！」と、どんどん話しかけてくれるのだ。その土地の人や空気に沢山ふれあいたいのならば、自力旅行がお勧めなんだな。
でも、明日で本当に旅が終わってしまうんだな。なんだか実感が湧かないんだな。・・・ああ、多分、このストレスの無い世界から抜け出せられないんだろうな。この、物足りない気持ちは、本物なんだな。と、タバコを吸いながら次のタバコに火を付けているヘビースモーカーのように、オイラは、次の旅の事を考えていたんだな。

ゴリさん

明日の朝食（おむすび）

昨夜、岡山に入った時に手に入れた、霊界通信新聞を見て寿命を縮めながら解読したオイラは、今朝、ゴリさんと一緒に書かれてあった“wanpaku青江店”へ行ってみた。そこは、出発点のwanpaku本部からあまり離れていない場所だった。「ううっ、こんなに近くに強化パーツがあったのか・・・」と、オイラは泣きながらお店に潜入したんだな。・・・・→本当にいつもいつもすいません。ウラタ２号（改）は本当にパワーアップできたのか？は、後日、ぱっくんぽっけ本誌の方でお楽しみくださいなんだな。そして、wanpaku青江店のスタッフ様ありがとうございました。改装された綺麗な店内は、分かりやすくてなんだか気持ちの良い空間になっていたんだな。またじっくりと遊びに行きますなんだな。

「ゴール。そして・・・ 」
この旅ですごいと思った事は、どこに行ってもどんな場所に行っても“蟻（あり）”さんがいた事に気付いた事なんだな。せっせとオイラが落とした甘い欠片を巣穴に運んで処理してくれる。と、いう事は、その蟻さんの食べ残しや糞を処理してくれる、目に見えない微生物達もどこへ行ってもいるという事なんだなと、蟻さんから自然の摂理を感じる事が出来た事なんだな。
実は、小学生の時に読んだ“サイクル野郎”というマンガがきっかけで、２０歳くらいの時から本格的に旅に出たいと思っていたのだが、その旅の目的の一つに、日本を旅して色々な事や物を見れば、中学生の時から悩み、考え続けている『人はなぜ人なのか・なぜ人はここにいるのか・何のために人はいるのか』といった、思春期に誰でも考えそうな事だが、自分が人としてこの世に生まれ、人として生きて行く為に絶対的な基本となるものの、答えが分かるかもしれないという期待があったんだな。
しかし、あれから１６年間ちょくちょく考えては忘れて、考えては忘れてを繰り返してきたあの答えが、旅に出る寸前に自分の中で解けてしまったんだな。『人＝自然（宇宙）』・・・『人は自分で考えて、自分の思った通 りに行動する事が自然の摂理であり人の存在意義なのだ』・・・それがどんなきっかけで解けてしまったのかは思い出せないが、確かに自分の中で答えが出ていたんだな。
オイラは宗教家でもなく（どちらかといえば空想家）、哲学にもぜんぜん興味が無く、幽霊やＵＦＯも見た事もないし、他人様に意見出来るほど偉くも無い。頭も悪い。しかし、自分が人としてこの世に生まれ、人として生きて行く為に絶対的な基本を自分の中に持つ事は、幻想であってもこの世の中を生きる自信になる。ならば、それを旅に出る事で色々な物・事・人を見て確認してこようと思い、答えは出ても旅に出たんだな。そして、様々な人と出会い、様々な体験をして確信していったのだが、特に北海道の阿寒湖にあるアイヌコタンで出会ったライダーハウスのオーナー“山本”さんには、『人＝自然（宇宙）』を言葉ではなく気持ちで教わったんだな。オイラも『人＝自然（宇宙）』が、心からにじみ出ているような人になりたいなと思いつつ旅をしてきたが、なかなか難しいんだな。でも、いつかそうなれるように、思い続けて行こうと思うんだな。
色々とオイラの気持ちがカミングアウトしてしまって、お見苦しい文章もあったとは思いますが、やはり旅は面 白かったんだな。最後の数日間が自分の思うような旅でなかったとしても、それがその時のオイラの自然だったんだな。そして、そんな経験でも、出来た事に楽しさと嬉しさを感じる事が出来るようになった、この旅と、旅先で出会った方々、この様なチャンスをいただき応援してくださった“wanpakuの社長、全ての社員の皆様、遠方まで応援に来てくださった皆様、そして、応援してくださった皆様、楽しませてくれた自然（宇宙）様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで、無事日本を旅して戻ってくる事が出来ました。楽しかったです。また、皆様と話す機会がありましたら、旅の話などお聞かせ致しますので、遠慮なく話しかけてください。旅に出るアドバイス等も出来ると思います。
最後に、掲示板にも書きましたが、旅はしたいが今一歩踏み出せない方や、人生に迷っている方へ
時間が経って取り返しがつかなくなる前に、旅に出てください！確かに平穏に暮らしている時より、 危険が激的に高くなりますし、人類の悪行もよく見えるようになります。生活の不安も高くなります。しかし、それ以上にあなたが得るものが沢山あると思います。自分が生きている空間（地球）を感じる事が出来ますし、そこで生きている事を実感出来ます。なんといっても仲間が沢山、日本各地を旅しています。外国にも沢山いると思います。
もし、そのような方がこのメッセージを見て決心したならば、自分の安住の地を見つけて、そこへ無事に帰るまで気を付けて
『行ってらっしゃい！』

わんぱくこぞう青江店の店長様、スタッフ様

今週の出費